PolyWorks®のマクロで大型車用ドラッグリンクの測定・検査作業を自動化し、作業時間95%の大幅削減を実現

 

埼玉機器社は、1956年の設立以来、Tier 1サプライヤーとして、大型車のブレーキ、ステアリング、サスペンションなど、重要保安部品と油圧部品を主力製品とし、研究・開発から製造・販売まで一貫したものづくりを行っています。

埼玉県内に3箇所の生産拠点、山形県内に1箇所の工場を持ち、1970年代に日本でステアリング部品の生産を開始、2014年タイに工場を設立し、多種多様なお客様のニーズに合った製品を提供しています。

 

課題

埼玉機器社では、1日約800品の大型車用ドラッグリンクを生産しています。ドラッグリンクとは、ハンドルの動きをアームを介し、タイヤに伝達する重要な金属部品です。

同社では、品質管理のために、毎日、部品のサンプルを検査しています。PolyWorksのマクロ導入前は、ミツトヨ社の3次元測定機Crysta-Apexを使用して部品を手動で測定し、結果をMitutoyo MCOSMOSソフトウェアに手動で入力して偏差を計算していました。

ドラッグリンクとは、ハンドルの動きをアームを介し、タイヤに伝達する重要な金属部品です。

従来の測定では、1品の測定に20分、補正値の計算に40分、合計1時間かけて専任の担当者1名が手動で行っていました。さらに、部品ごとに異なる測定と個別の手順マニュアルが必要なため、人的エラーのリスクが高まります。測定を実行して検査を完了するための人手が常に不足しているため、品質管理プロセスの作業に膨大な時間がかかり、手動測定により人的ミスが起こるなどの課題がありました。

生産技術部は、これらの様々な課題は手動測定を行っているために引き起こされていることを発見しました。現場からは完成したドラッグリンクの検査を自動化したいという要望がありました。また、いくつかの要素から演算でしか出せない架空の点や寸法を評価する必要があり、販売代理店であるトヨタシステムズに解決策を求めました。

解決策

自動システムの開発にあたっては、トヨタシステムズ社が主導となり、他社ソフトと比較しました。その結果、生産技術部は、平面・軸・点の位置合わせ、許容値OK/NG判定、CADから測定された補正値の計算、不具合修正等を自動で行えるPolyWorks®ソフトウェアが最適と判断し、採用しました。ミツトヨ社のMCOSMOSソフトウェアでも測定後に何ステップかの手動操作を行うことにより対応できていましたが、この一連の操作をマクロ機能の開発により自動化できたのはPolyWorksだけでした。その結果、埼玉機器社は、InnovMetricの子会社であるPolyWorks Japanのソリューションを採用しました。

トヨタシステムズ社とシステムインテグレーターの協力により、様々な評価を行い、CreaformのMetraSCAN 3D-Rと産業用ロボットを組み合わせてドラッグリンクの測定を自動化。制御用ソフトウェアにPolyWorksのマクロを使用し、測定結果から検査までを自動算出することで、測定から検査までの一連操作を全自動で実施できるようになりました。

PolyWorks Japanのエンジニアは、埼玉機器社のニーズを正しく理解し、スキャンしたドラッグリンクのSTLファイルに対応するCADファイルを使用して要望どおりのマクロを開発しました。その後、エンジニアはスキャナーとロボットを使用し、現場でマクロを検証しました。非常に効率的な新しい完全自動化システムが完成しました!

 

「マクロを組み込んだPolyWorksを利用後、全自動化により無人作業ができるようになり、約3分で測定・検査が可能となりました。」

1日約800品の大型車用ドラッグリンクを生産。PolyWorksのマクロとCreaform MetraSCAN 3D-Rで1日約100品の測定・検査を自動で実施しています。

効果・メリット

PolyWorksのマクロ機能による完全自動化により、人的操作や測定・検査業務に必要な高度なスキルが必要なくなり、スピーディかつ簡単にオペレーションを行えます。埼玉機器社は、PolyWorks|Inspector™のマクロ機能を利用して、許容値OK/NG判定と自動測定を日常的に行っています。

生産技術部副部⾧ 原田 章氏は、「従来の測定では、ミツトヨの3次元測定機で1品の測定に20分、MCOSMOSソフトウェアを使用して補正値の計算に40分、合計1時間かけて専任の担当者1名が手動で行っていました。マクロを組み込んだPolyWorksを利用後、全自動化により無人作業ができるようになり、約3分で測定・検査が可能となりました。その結果、処理量は約20倍に増加し、大幅な時間短縮と人件費削減を実現しました。」と述べ、

産業用ロボットと連携させた非接触測定機でスキャンしたデータをマクロ開発したPolyWorks|Inspectorに取り込み、測定から検査結果の出力まで自動化。不具合のフィードバックも自動で行えます。 

「全自動化により、専任測定技能者1名を生産技術要員にすることができたため、生産性が向上しました。また、手動測定は製品ごとに測定手順が変わるため、何通りものパターンの手順書を作っていましたが、一連の作業を全部マクロを組んで自動化することで、個人差のばらつきやミスもなくなり、結果が統一されて正確性も増しました。」と続けました。

生産技術部 生産技術課 専門員 上野 伸也氏は、「いくつかある作業工程の中の1つとして生産ラインの出来栄えを測定・検査していますが、PCに一切触れることなく測定でき、検査結果が印刷され、不具合のフィードバックも自動で行えます。」と述べています。

今後、PolyWorksで実施したいこと

  • 類似品の測定・検査もマクロを使用して全自動で測定できるように調整。
  • PolyWorks|Inspectorソフトウェアをミツトヨの3次元測定機に接続し、測定シーケンスを作成して自動的に測定・検査できるよう調整。
  • 現在実行しているマクロによる検査業務の自動化をタイ工場でも実施できるよう、海外向けのプログラムに改修を検討中。

将来の事業展開

埼玉機器社は、日本の産業基幹を担う自動車・産業機械用機器の製造メーカーとして企業の成長を図っています。将来、自動車の電動化や無人化が主流になったときに、両事業の設計ノウハウを備え持つ付加価値のある製品に取り組むことが会社のさらなる発展に貢献すると考えています。

PolyWorksソフトウェアとマクロ開発により、生産性・業務効率の向上、作業時間の大幅な短縮を実現できました。今後は国内のさらなる測定作業時間の短縮で全数測定を目標とします。また、将来的に測定結果を工作機械に自動フィードバックすることも検討しています。埼玉機器社は、高度な生産技術と品質保証体制のもと、お客様に満足される最高の製品を提供し続けます。